福岡市博物館開館

1990年10月

東アジアと日本の交流拠点としての福岡の歴史と民俗を学ぶ博物館として、18日、福岡市博物館(進藤一馬館長)が開館した。鉄筋コンクリート地上2階建て、延床面積約16729平方メートルで、展示部門は約4835平方メートル。市民の生涯学習の場を目指して、調査研究、情報サービス等の機能も充実させる方針である。開館記念展は「大航海時代と博多」展と題して11月15日まで行なわれた。

文化勲章、文化功労者決定

1990年10月

平成2年度の文化勲章受賞者、文化功労者が26日、政府により公表された。美術関係では洋画の井手宣通、文化財保護の関野克、漆芸の高橋節郎、陶芸の古賀大眉が文化功労者に選ばれた。これにより文化勲章受賞者は計251名(うち存命63名)、文化功労者は441名(同137名)となった。文化勲章伝達式は11月3日皇居で、文化功労者の顕彰式は同月5日東京霞が関の国立教育会館で行なわれた。

ベトナムホイアンの町並み保存、文化庁援助へ

1990年10月

16世紀から18世紀にかけて東南アジアの重要な交易港として栄え、江戸時代初めには朱印船貿易による日本人町もあったベトナムの古都ホイアン市(旧名フェイホ)の町並み保存に、文化庁が援助することになった。老朽化した木造建築の中には日本式のものもあり、文化庁は来年建築の修復保存の専門家を派遣して予備調査を行なう予定。

第2回国華賞決定

1990年10月

東洋美術の研究誌『国華』創刊100年を記念して昨年設立された国華賞の第2回受賞者が決定し、18日、贈呈式が行われた。同賞は日本、東洋の美術に関する優れた研究に対して贈られるもので、今年は、小林宏光「官楽図屏風にみる帝鑑図説の転成」(『国華』1131号)、奥平俊六「縁先の美人-寛文美人図の一姿型をめぐって」(『日本絵画史の研究』吉川弘文館、平成元年10月)、河上繁樹「南宋絹織物にみる二、三の特色」(『MUSEUM』464号)が受賞者に選ばれた。

第12回神戸須磨離宮公園現代彫刻展大賞決定

1990年10月

1968年から「都市における彫刻のあり方の追求」をめざしてビエンナーレ形式で行なわれている神戸須磨離宮公園現代彫刻展が1日に開幕し、大賞に当たる神戸市長賞に植松奎二「凪のとき-赤いかたち/浮」が選ばれた。

第21回中原悌二郎賞決定

1990年09月

平成元年9月から本年9月までの1年間に国内で開かれた団体展、個展に出品された彫刻作品を対象として選考される中原悌二郎賞の今年の受賞者は、土谷武「植物空間」に決定した。また同優秀賞は中井延也「溶」に贈られることとなった。

今西コレクション名品展2

1990年10月

昭和62年74才で死去した今西菊松の浮世絵を中心とするコレクション約500点が、熊本県立美術館に寄贈され、昨秋浮世絵等120点による「今西コレクション名品展1」が開催された。本年はその第2回展として、茶道具と人間国宝による現代工芸品、浮世絵の165点を紹介する展観が、5日から11月4日まで熊本県立美術館で開催された。

札幌芸術の森美術館開館

1990年09月

札幌市郊外の丘陵地帯に開発中の札幌芸術の森では、7月28日に野外美術館第2期拡張工事が完了したが、29日、新たに芸術の森美術館が開館。同館は「近代から現代にいたる国内外の著名な彫刻家の作品を体系的に鑑賞できる美術館」を目指す方針である。

チャールズワーグマン展開催

1990年09月

幕末から明治初年にかけて報道画家として日本に滞在し、洋画界に影響を与えた英国人チャールズ・ワーグマンの画業を展望する「チャールズ・ワーグマン展」が29日より神奈川県立博物館で行なわれた。油絵、水彩画のほか、ワーグマンの作品が掲載された雑誌・新聞など約250点が出品され、ポンチ絵等にも影響を与えた画家の多様な側面が示された。同展はその後神戸市立博物館(11.23-12.24)に巡回した。

第1回シンワアートオークション開催

1990年09月

日本の近・現代絵画だけを扱う我国はじめての大型オークション、シンワ・アート・オークションが株式会社親和会によって発足され、9日その第1回競売が行なわれた。

柴田コレクション展1

1990年09月

柴田明彦の収集になる江戸時代の有田焼の優品1076件2476点が佐賀県立九州陶磁文化館に寄贈されたのを記念して、それを紹介する第1回展が、15日から10月25日まで同館で開催された。有田焼の変遷を示す構成で471件1343点が展示された。

ウィリアムブレイク展開催

1990年09月

大正期に日本に紹介され、文壇、美術界に影響をおよぼした英国のロマン主義詩人・画家ウィリアム・ブレイクの素描、水彩、版画、挿絵本など200点を展観する「ウィリアム・ブレイク展」が22日より11月25日まで国立西洋美術館で行なわれた。世界37のコレクションから作品を集め、ブレイクを本格的に紹介する我国最初の機会となった。

「日本美術の19世紀」展開催

1990年09月

江戸、明治という従来の時代区分にとらわれず、19世紀を通じて日本美術の変化をとらえようとする「日本美術の19世紀」展が1日より30日まで兵庫県立近代美術館で開かれた。現行の「美術品」の規定にとらわれず、舶来の概念である「美術」が定着していく過程を物でたどる展観として注目された。

橋本雅邦展

1990年09月

一昨年の狩野芳崖展を受け、橋本雅邦の画業を辿る「橋本雅邦-その人と芸術」展が、1日から30日まで山種美術館で開催された。フィラデルフィア美術館、メトロポリタン美術館の蔵品も含め計66点の作品が出品された同展は、雅邦の回顧展としては久々のものとなった。

海外であいつぐ日本美術展

1990年08月

近年、海外での大規模な文化イベントに日本がテーマ国に選ばれる例があいついでいるが、美術界でも日本の作品が紹介される機会が多くなっている。西独のデュッセルドルフにあるフォルク・ウント・ヴィルトシャフト州立美術館では8月31日から9月29日まで「現代日本の屏風絵展」が開かれ、現存の日本画、洋画、彫刻作家による屏風絵43点が展観される。また、米国では重要文化財2件を含む若冲の優品を紹介する「若冲」展が、日本の文化庁との共催で10月5日よりニューヨーク市アジア・ソサエティー美術館で開かれ、12月6日よりロスアンゼルス・カウンティー美術館に巡回した。さらに10月17日よりボストン美術館において、東洋部創設100周年を記念して、日本の文化庁と共催で「王朝貴族の美術展」を開催。日本に所蔵される作品で構成される同展は、国宝11件、重要文化財25件を含む計60件を展観し、貴族の生活、宗教生活、源氏物語、武士の4部に分けて平安、鎌倉時代の貴族生活が紹介された。12月11日よりニューヨーク市IBMギャラリーで行なわれた文化庁、ジャパン・ソサエティー共催による「日本陶磁の源流」展は、土器から日本陶磁を紹介する特色ある企画となった。この他、「中世の絵画・書と刀剣」(2月1日より、ニューヨーク市ジャパン・ソサエティー・ギャラリー)「日本の刀剣」(12月4日より、大英博物館)等、多様な展観が行なわれた。

第13回マルコポーロ賞受賞者決定

1990年08月

イタリア文化に関する優れた研究に対して贈られるマルコ・ポーロ賞の第13回目の受賞者は、佐々木英也『ジョットの研究-スクロヴェーニ礼拝堂壁画を中心として』(中央公論美術出版)に決定した。

西大寺展

1990年08月

真言律宗の総本山西大寺を復興した叡尊(興正菩薩)の入滅700年の遠忌を迎え、西大寺をはじめとする真言律宗寺院に伝わる仏教美術の優品を集めた「西大寺展」が、25日から10月7日まで奈良国立博物館で開催された。奈良時代と鎌倉時代の同寺復興期を中心に99点が出品された同展は、東京国立博物館(6月25日~8月4日)でも開催された。

「英国祭UK90」開幕

1990年08月

芸術を通じて日本とイギリスの相互理解を深めることを目的とする「英国祭・UK」が開幕、8月から11月にかけて東京をはじめとする各都市で約18の企画展が行なわれた。主要な展覧会として、現代英国美術展「イギリス美術はいま」(25日~10月7日、世田谷美術館)、ウィリアム・ブレーク展(9月22日~11月25日、国立西洋美術館)、ロセッティ展(9月22日~10月18日、Bunkamuraミューゼアム)、大英博物館展(10月20日~12月9日、世田谷美術館)、ビクトリア・アンド・アルバート美術館展(9月13日~10月16日、新宿伊勢丹)などが行われた。

第3回朝倉文夫賞決定

1990年08月

すぐれた彫刻活動を行なった作家を顕彰する朝倉文夫賞の選考委員会が24日に行なわれ、第3回目の受賞者に土屋公雄を選出した。受賞作は「レイ(磁気流)」(木彫)。

第3回ロダン大賞受賞者決定

1990年07月

高村光太郎大賞展を発展的に解消して設立されたロダン大賞展の第3回展が8日より長野県美ケ原高原美術館で開かれ、31ケ国442点の応募作品の中から各賞の受賞者が選ばれた。大賞はギリシアの彫刻家フォティスの「両性をそなえたトルソ」、特別優秀賞はメキシコのエルネスト・アスカラテによる「女の習作」、ベルギーのトム・フランツェンによる「比喩1」、綿引道郎の「憩う時」、杉山惣二の「暦」がそれぞれ受賞。そのほか、優秀賞5点、彫刻の森美術館賞8点、美ケ原高原美術館賞8点、上野の森美術館賞8点が選ばれた。